最初のカーブを描く
DAW別の手順でPitch Canvasと音源を接続した後、以下の設定で上昇カーブを作成します。
- Pitchレーンを選び、Lane settingsで Standard MIDI/Ch1/Bend range ±12 st を選択して Apply を押します。
- 音源側のPitch Bend幅も ±12半音 に設定します。鍵盤を押している間、音が持続する音色を選んでください。Bend幅が固定の音源では、Pitch Canvas側を音源に合わせます。
- 左の Line ツールを選び、⌘を押しながら キャンバスの左端付近から右上へドラッグします。
- 以下のDAW別手順で再生します。無料体験版を初めて使う場合は、プラグイン内の Start 14-day trial を押してから再生してください。
Live MIDIとMIDIクリップ
Live MIDIをオンにすると、DAWの再生に合わせてカーブを音源へ送信します。カーブを編集した後は、DAWを停止して再生し直します。
Drag MIDIをDAWへドラッグすると、その時点のカーブをMIDIクリップとして配置できます。クリックすると同じ内容を.midファイルとして保存できます。カーブを編集した後はクリップも置き直してください。クリップで再生するときはLive MIDIをオフにし、DAW別のモニター・バイパス設定も確認します。
練習用MIDI
60 BPM、Ch1、Bend幅±12半音で、2拍かけて1オクターブ上昇します。Pitch Canvasを挿さず、音源だけを置いたトラックへ読み込んで確認できます。FL StudioではMIDIファイルの取り込み経路によってBendの再現に差があるため、Live接続の手順を使います。
バッファサイズとピッチの追従精度
急降下や高速LFOの再現性は、DAWと音源が音声を処理するバッファサイズに大きく左右される場合があります。バッファが大きいと、カーブへの追従が遅れたり、変化が階段状になったり、LFOの揺れ方が変わったりします。影響の大きさはDAW・音源・接続方法によって異なります。
- まず64〜128 samplesで比較します。 同じ音色とサンプルレートのまま、音切れしない範囲でバッファを小さくします。小さいバッファほどCPU処理の余裕が減るため、ノイズや音切れが出る場合は戻してください。
- 書き出した音も確認します。 オフライン処理では再生時と異なるブロック長を使うDAWがあります。通常再生で改善しても、そのまま書き出しに反映されるとは限りません。CubaseとREAPERの対処法も参照してください。
- Bend幅も合わせます。 Pitch Canvasと音源のBend幅が違うと、音程の変化量が変わります。バッファを小さくしても、この設定の不一致は直りません。
同じsamples数でも、サンプルレートによって処理時間は変わります。例えば256 samplesは44.1 kHzで約5.80 ms、96 kHzで約2.67 msです。デバイスの設定値と音源が実際に処理するブロック長が一致しない場合もあります。
バッファサイズは、Pitch Bend値の14-bit分解能や、保存済みのMIDIファイル内のイベントを変更する設定ではありません。ただし、MIDIクリップから再生する場合も、音源が実音へ反映するまでの処理の影響を受けます。
Ableton Live
確認環境:Ableton Live 12.2.7 · Phase Plant VST3 · macOS
オーディオトラックのPitchCanvas → MIDIトラックの音源
- 空のオーディオトラックに PitchCanvas VST3 を挿します。別のMIDIトラックには鳴らしたい音源を置きます。
- 音源側の MIDI From の上段でオーディオトラックを選び、下段に PitchCanvas が表示されていることを確認します。音源側の Monitor → In を選びます。
- カーブを描き、Live MIDI → On にします。Live本体を再生すると、両トラックが空でも音程が上がります。
クリップで鳴らすときは、Drag MIDIをクリックして保存した .mid を音源トラックに読み込みます。Live MIDIをオフにし、受信側の Monitor → Off にしてクリップを再生します。
Simplerを使う場合は、Pitch Bend幅が±5半音なので、PitchCanvasの Bend range → ±5 st → Apply を選びます。
公式ガイド:Ableton:VSTプラグインのMIDI出力
Bitwig Studio
確認環境:Bitwig Studio 6.1.4 · Phase Plant VST3 · macOS
同じトラックで PitchCanvas CLAP → 音源
- インストゥルメントトラックを作り、音源を置きます。デバイスチェーンで音源の左の「+」を押し、PitchCanvas CLAP を追加します。
- PitchCanvasと音源のBend幅を合わせ、カーブを描き、Live MIDI → On にします。Bitwigを再生します。クリップは不要です。
音が一定の高さのままなら、まずCLAP版で試してください。0.10.0のVST3版は音程をノートごとの Tuning として送ります。通常のPitch Bendを受け取る音源にはCLAP版を使います。MIDIクリップで試す場合はLive MIDIをオフにし、保存した .mid をBitwigのブラウザーからコピーし、音源だけを置いたトラックのアレンジャーに貼り付けます。
公式ガイド:Bitwig:デバイスの接続
Cubase
確認環境:Cubase 15.0.40 · Phase Plant VST3 · macOS
オーディオトラックのPitchCanvas → インストゥルメントトラックの音源
- 空のオーディオトラックの Inserts に PitchCanvas VST3 を挿し、別のインストゥルメントトラックに音源を置きます。
- 音源側の Inspector → Routing → All MIDI Inputs → Plug-ins を開き、送信側の PitchCanvas - MIDI Out を選びます。音源トラックのスピーカーボタン Monitor をオンにします。
- カーブを描き、Live MIDI → On にしてCubaseを再生します。音が出なければ Preferences → MIDI → MIDI Thru Active も確認してください。
書き出すときは左右のロケーターで範囲を決めます。0.10.0では Audio Mixdown → Real Time Export をオフにすれば、Live MIDIのまま左ロケーターからカーブが始まります。実時間書き出しでは冒頭が欠けることがあるため、Live MIDI → Off にし、Drag MIDI で作ったパートを音源トラックの左ロケーター位置に置きます。
急な変化をより正確に書き出すには、デバイスのバッファを小さくして比較してください。Studio → Studio Setup → オーディオドライバー → Control Panel から変更できます。Cubase 15.0.40(Elements)/Phase Plant 2.4.6 VST3/Pitch Canvas 0.10.0 VST3/macOS、44.1 kHzのオフライン書き出しでは、256から32 samplesにすると、30 Hz・±6半音のLFOの追従遅れが約5.05 msから0.69 msへ減りました。発音開始を基準にしたカーブとのRMS音程誤差は3.71から0.55半音へ減り、1,024 samplesでは30 Hzの揺れが約13 Hzになりました。これはこの音源・経路での実測値で、一定の音程が数半音ずれるという意味ではありません。音切れが出る場合はバッファを戻し、書き出し結果を確認してください。
設定方法:Steinberg:バッファサイズの変更
公式ガイド:Steinberg:MIDIの環境設定
Fender Studio Pro
確認環境:Fender Studio Pro 8.2.0 · Phase Plant VST3 · macOS
オーディオチャンネルのPitchCanvas → インストゥルメントトラックの音源
- 空のオーディオトラックを作り、チャンネルのインサートに PitchCanvas VST3 を追加します。別のインストゥルメントトラックに音源を置きます。
- 音源トラックを選んで F4 を押します。インスペクター下部の イン → PitchCanvas を選び、トラックのスピーカーボタン(モニター)をオンにします。
- カーブを描き、Live MIDI → On にしてStudio Proを再生します。演奏を録るには、音源トラックを録音待機にしてトランスポートの録音を押します。
パートとして使うときは、Live MIDIをオフにし、音源トラックの イン → なし を選び、そこに Drag MIDI をドロップします。余韻だけ元の音程に戻る場合は、ノートの長さを保ったままパートの右端だけを余韻より後ろまで延ばします。
公式ガイド:Fender:インストゥルメントトラック
FL Studio
確認環境:FL Studio 26.1.7 Producer Edition · Phase Plant VST3 · macOS
PitchCanvasのOutput port → 音源のInput port
- Mixer の空きInsertに PitchCanvas VST3 を挿します。プラグイン左上の歯車から Wrapper settings → Settings → MIDI を開き、Output port に未使用の番号(例 17)を指定します。
- Channel Rack に Phase Plant VST3 を追加し、同じWrapper画面で Input port → 17 にします。揃えるのはポート番号です。PitchCanvasのMIDIチャンネルは Ch1 のままで使えます。
- カーブを描き、Live MIDI → On にします。まず PAT モードでFL本体の再生を押します。SONG モードでは、Playlistの先頭にノートのないパターンを1小節置いて再生できます。
保存した .mid を MIDI Out 経由で再生すると、Bend幅が狭くなり、CC74が音源に届かない場合があります。Pitch BendとCC74を再生するには、上記のLive接続を使ってください。
公式ガイド:Image-Line:Plugin Wrapper
GarageBand
確認環境:GarageBand 10.4.14 · AU Music Effect / MIDIリージョン · macOS
PitchCanvas AUで描画 → Drag MIDI → 音源トラックのリージョン
- ソフトウェア音源トラックを選んで B でSmart Controlsを開きます。空きエフェクトスロットで Audio Units → Pontaku Audio → PitchCanvas を選びます。PitchCanvas(AU Music Effect) を使います。
- カーブを描き、Live MIDI → Off のまま、右上の Drag MIDI をつかんで音源トラックの鳴らしたい小節にドロップします。緑のMIDIリージョンが作成されます。
- リージョンの手前からGarageBandを再生します。カーブに沿って音程が変化します。カーブを変えたら、古いリージョンを新しくドラッグしたものに差し替えます。
GarageBand 10.4.14(Mac)には他社製MIDI FXを音源の前に挿すスロットがなく、Live出力には使えません。保存した .mid を使う場合はFinderから既存の曲へドラッグするか、ファイル → 開く で新しい曲として開きます。
公式ガイド:Apple:GarageBandユーザガイド
Logic Pro
確認環境:Logic Pro 12.4 · PitchCanvas MIDI FX / Retro Synth · macOS
同じトラックで PitchCanvas MIDI FX → Retro Synth
- ソフトウェア音源トラックを1本作り、音源に Retro Synth を選びます。Retro Synthの Settings → Global → Bend → 1 Oct で±12半音にします。
- 同じチャンネルストリップの音源の上にあるMIDI FXスロットで Audio Units → Pontaku Audio → PitchCanvas MIDI FX を選びます。
- PitchCanvasでカーブを描き、Live MIDI → On にして Space でLogicを再生します。MIDI preview を押すと同じRetro Synthで試聴できます。Live MIDIのままオフラインバウンスできます。
カーブと音色を一緒に調整するには、プラグインウインドウ右上の鎖アイコンが紫ならクリックしてオフにし、もう一方のプラグインを開きます。従来AUを2トラックでつないだ既存の曲では、Liveのオフラインバウンスで音が残ることがあります。その場合は Live MIDI → Off にして、Drag MIDIで音源トラックに置いたリージョンを書き出します。
公式ガイド:Apple:Logic Proのプラグイン操作
REAPER
確認環境:REAPER 7.82(CLAP)/ 7.84(VST3 + Phase Plant) · macOS
同じトラックのFXで PitchCanvas → 音源
- トラックを1本作り、FX を開きます。PitchCanvas CLAP を追加し、その下に音源を追加します。FX一覧は上から順に処理されます。
- 音源でPitch Bendを受ける音色を選び、PitchCanvasとBend幅を合わせます。PitchCanvasでカーブを描き、Live MIDI → On にします。
- REAPERを再生し、音程が上がることを確認します。カーブを変更した場合は、停止してから再生し直します。
再生中にカーブの出力だけ止めるには、PitchCanvas内の Live MIDI → Off を使います。音が鳴っている間にREAPER側でFXをバイパスすると、音源にNote Offが届かず音が残ることがあります。
MIDIアイテムとして使うときは、Live MIDIをオフにし、Drag MIDIを音源だけを置いた別トラックへドロップします。再生位置をアイテムの手前へ戻して再生してください。
VST3版でピッチの追従を改善するには、小さいバッファとあわせて、Pitch Canvasのツールメニューで REAPER: Fine Live Pitch Bend をオンにします。ソフト音源向けの設定で、初期値はオフです。バッファが6 ms以下のときにPitch Bendを細かく送り、6 msを超えると標準の送信密度に戻ります。44.1/48 kHzでは256 samples以下、96 kHzでは512 samples以下がこの条件に入ります。効果は音源によって異なり、CLAP版にはこの設定はありません。
音声テイクへ書き出すときは、VST3版の REAPER Apply mode → High quality (4 samples) を選び、アイテムを右クリックして Apply track/take FX to items as new take を使います。通常再生のバッファを変えずに、標準のステレオApplyを4 samplesで処理します。File → Render、Freeze、MIDI書き出しには適用されません。
公式ガイド:REAPER:ユーザーガイド
Waveform
確認環境:Waveform 14.1.24 · Phase Plant VST3 · macOS
同じトラックで PitchCanvas VST3 → 音源 → Volume & Pan
- 空のトラックの右側に PitchCanvas VST3 → 音源 → Volume & Pan の順にプラグインを並べます。2段に折り返されたときは上段から読みます。
- カーブを描き、Live MIDI → On にします。Waveformを再生すると、クリップがなくても音源が鳴ります。
クリップで再生するには、Drag MIDIを音源だけを置いた別トラックにドロップし、Live側を止めて再生します。同じトラックにドロップした場合は、Waveform側のプラグイン列でPitchCanvasを選んでDisable にします。PitchCanvas内のLive MIDIをオフにするだけでは、同じトラックのクリップは再生できません。
公式ガイド:Tracktion:Waveformチュートリアル
音が出ないときは
- 音源だけで発音を確認する。 鍵盤やMIDIクリップで音が出ることを確認してから、Pitch Canvasを接続します。Pitch Canvas自体は音源ではありません。
- 入力とモニターを確認する。 別トラックで受けるDAWでは、受信側がPitchCanvasのMIDI出力を選んでいるか確認します。FL Studioは入出力のポート番号をそろえます。
- 音程の変化量を確認する。 音は出ても上がり幅が違う場合は、Pitch Canvasと音源のBend幅をそろえます。Bitwigで一定の音程になる場合はCLAP版を使います。
- Liveとクリップの再生を切り替える。 クリップを再生する場合はLive MIDIをオフにします。Ableton LiveはMonitorをOffにし、Waveformでは音源だけのトラックを使うかPitchCanvasをDisableにします。
解決しない場合は、サポートへOS、DAWとそのバージョン、Pitch Canvasのバージョン・形式、接続先の音源名をお知らせください。
